屋根の「カバー工法」とは、既存の屋根の上に、防水シート(ルーフィング)と新しい屋根材をかぶせる施工方法のことです。
「重ね葺き」「カバールーフ工法」と呼ばれることもあります。
屋根を一度剥がして張り替える「葺き替え」工事を行う場合であれば、剥がす時の手間がかかります。
既存の屋根材が2004年以前に製造された「スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)」の場合は、人体に悪影響を及ぼす「アスベスト(石綿)」を含有している可能性があり、屋根材の処分費が高額になってしまうことがあります。
一方、解体作業を必要としない「カバー工法」は、短期間に低コストでリフォームできることから人気を集めています。
カバー工法=スレート屋根にガルバリウムなどを施工するのが一般的
カバー工法は、基本的に「スレート」や「軽量金属屋根」などのような平板の屋根材の上からであれば、施工可能です。
特に「スレート屋根」の上に「ガルバリウム鋼板屋根」を重ねるケースが多く見られます。
新しく重ねる屋根材には、軽量な物を採用するのが基本です。
ガルバリウム鋼板の他に「アスファルトシングル」や「ジンカリウム」などを使用する例があります。
瓦屋根風のデザインに仕上げたい場合には、ケイミュー社の軽量瓦『ルーガ』を施工することもあります。
屋根のカバー工法(重ね葺き)費用が安い場合・高い場合
カバー工法にかかる費用は、新たに採用する屋根材・建材のグレードや、足場の必要性などの他、屋根面の数によっても左右されます。
例えば、屋根の面が二つである「切妻(きりづま)屋根」であれば、安く済む傾向があります。
一方「寄棟(よせむね)屋根」など面が多い屋根や、複雑な形状の屋根の場合は、比較的高額になってしまうでしょう。
屋根の葺き替えとは、今ある屋根材をすべて撤去して、その上から新しい屋根材を葺き直す工事のことです。
一度すべての屋根材を取り除くので、屋根材だけでなく屋根材の下のルーフィングシートなども新しくすることができます。
屋根材・ルーフィングシートの両方を変えることで、防水性が新築時と同等まで戻るため、葺き替えは「最も防水性に優れた屋根リフォーム」といえるでしょう。
ただし、ほかの屋根リフォームと比べると工事費用が高くなりがちで、工期も長いです。